社会保険労務士法人アーリークロスの社労士ブログ

2023.05.17

2023年4月雇用保険料率引き上げと2023年以降の法改正について

こんにちは!福岡市にあります社会保険労務士法人アーリークロスです。
今回は「雇用保険料率の引き上げ及び2023年4月以降の法改正」について解説します。

①雇用保険料率の引き上げ

2022年10月に引き続き、2023年4月から雇用保険料率が引き上げとなりました。
(厚生労働省 「雇用保険料率について」より)
https://www.mhlw.go.jp/content/001050206.pdf

【引き上げ背景】
今回の引き上げの最も大きな原因は新型コロナウイルス感染拡大にあると考えられています。コロナ禍により雇用調整助成金の給付が増加したことや、失業者の増加による失業手当の給付が増加したことで、雇用保険の財源がひっ迫したことが大きく影響しています。

【引き上げによる影響】
今回の引き上げは、全業種、労使ともに保険料負担が増えていることが特徴です。
企業の負担も大きくなることから、人件費削減のため正規雇用が減少する恐れがあります。また従業員の手取り額の減少にもなるため、周知も必要です。

【給与計算時に注意すべきこと】
雇用保険料率の変更のタイミングは、賃金締切日及び支払い月(当月払い、翌月払い)によって変わってきます。
例①:当月締 /当月支払いのケース
締日:4月15日 /支払日:4月25日
⇒賃金締日が4月以降のため、4月25日支給から新しい雇用保険料率で計算します。

例②:当月締 /翌月支払いのケース
締日:3月31日 /支払日:4月25日
⇒賃金締日が3月中のため、4月25日支払給与は従前の雇用保険料率で計算し、5月25日支給から新しい雇用保険料率で計算します。

また賞与の算定期間及び支払いが3月、4月にかかるときには、従前もしくは引き上げ後のどちらの保険料率で計算するのか、注意が必要です。

【年度更新時の注意点】
労働保険の保険料は毎年6月1日から7月10日までに、保険年度(毎年4月1日〜翌年3月31日)ごとに算出した概算保険料及び確定保険料を納付します。
この年度更新ですが、2022年10月に雇用保険料の引き上げがあったことで、少々複雑になっております。
2022年度(令和4年度)の確定保険料の算定方法については、例年と異なっていることが特徴です。
また2023年度(令和5年度)の概算保険料は、2023年4月以降の雇用保険料率で算定することになります。

②2023年4月~法改正事項:法定割増賃金率の引き上げ

2023年4月1日から、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%以上へ引き上げられました。
(厚生労働省「2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金が引き上げられます」)
https://www.mhlw.go.jp/content/000930914.pdf
(厚生労働省「改正労働基準法」)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/091214-1_03.pdf

【注意点】
・月60時間越えの「法定時間外」労働が対象となります。
勤怠の集計の際には、所定時間外労働、深夜労働、法定休日労働などを区別しながら集計する必要があります。
・引き上げ分の25%の割増賃金の支払いにかえて、代替休暇を付与することも可能です。労使協定が必要なため、導入前には準備が必要です。
・月60時間超えが発生した際には、支給月によっては非固定的賃金の新設にともなう月額変更に該当しないか確認が必要です。

残業が労働者の負担になることはもちろんのこと、企業様にとっても残業代の支出が増えるため、働き方改革に取り組む企業様も増えています。

③2023年4月~法改正事項:賃金デジタル払いの解禁

キャッシュレス化の普及に対応したものですが、導入については任意となります。
詳細はこちらのブログもご確認ください。
https://ecsr.jp/blog/371

【2024年度】
④2024年4月~法改正事項:建設事業・自動車運転の業務・医師に係る時間外労働の上限規制の適用

2020年(令和2年)より中小企業に適用された時間外労働の上限について、建設業、自動車運転業務、医師についても上限規制が適用されるようになります。
原則は一般の事業と同じですが、一部は特例付きでの適用となります。

(厚生労働省「時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務」)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html

36協定の見直しなども必要になるため、改正前から従業員の勤怠管理を含めた準備が必要です。

⑤2024年10月~法改正事項:社会保険の拡大(従業員数50人超へ)

短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件(2022年10月に従業員数100人超)が、2024年10月に50人超規模となります。
これまで3/4要件に該当しなかった短時間労働者でも、①賃金要件(月額8.8万円以上)、②労働時間要件(週労働時間20時間以上)、③学生除外要件、④勤務期間要件(2ヶ月超)、⑤企業規模要件(50人超)に該当すれば、社会保険の被保険者となります。

短時間勤務の方を雇用されている企業様は該当者がいないか確認が必要です。また扶養ご家族が要件に該当したことで扶養から外れないかも含めて、確認が必要となります。

いかがでしたでしょうか?
毎年のようにある法改正を把握し、それらを自社の給与、勤怠、規程・協定、年度更新等に反映していく必要があります。すべてに対応することは非常に煩雑な作業となり、また法改正にきちんと対応できているのかご不安になることもあるかと思います。
特にこれからの年度更新について、対応にお困りの企業様もいらっしゃるのではないでしょうか?

ぜひ社会保険労務士法人アーリークロスにお気軽にお問い合わせください。
法改正に沿ったご対応、ご提案が可能です。

お読みいただきありがとうございました。
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