社会保険労務士法人アーリークロスの社労士ブログ

2023.02.02

こんなときどうする?~外国人を雇用する場合①~

こんにちは!福岡市にあります社会保険労務士法人アーリークロスです。

今回は、「こんなときどうする?~外国人を雇用する場合~」について取り上げます。

企業にとって、人材確保が年々難しくなっている昨今、外国人労働者の雇用拡大は大変重要なポイントになっています。

特に「介護」や「建設」の現場での労働力不足は顕著になっており、外国人労働者の受け入れは、事業存続に必要不可欠なものであると言っても過言ではありません。

では、労務的な観点から、外国人労働者を雇用する際に注意することを見ていきましょう。

1. 在留資格の確認は必須です!

外国人を雇用するとき、必ず確認が必要なものが「在留カード」です。「在留カード」には、在留資格の許可や、在留期間の更新許可など様々な情報が載っています。在留資格によって外国人の就労制限(働くことのできる業種や時間)が異なるので、事業主は必ず確認をする義務があります。確認せずに雇い入れてしまい、不法就労となると懲役や罰金が課される可能性もあります。

参考:https://www.city.sakata.lg.jp/sangyo/roudo/roudokankei/fuho-syuro.files/fuho-syuro.pdf

2. 健康保険・厚生年金・雇用保険の手続きについての注意点

日本人労働者同様、外国人労働者も働き方に応じて、健康保険・厚生年金・雇用保険に加入しなくてはなりません。基本的な手続きは日本人労働者と同じですが、雇用保険の手続き時に在留カードの番号や在留資格、ローマ字氏名などを届け出る必要があります。

前述の通り、各種保険の届出は従来通りですが、日本人労働者を雇用する場合と異なる雇用保険の取扱いがあります。

それは、雇用保険に加入義務のない労働者(週の所定労働時間が20時間未満・契約期間が31日未満など)についても、ハローワークへの届出が必要になることです。(外国人雇用状況の届出)

雇用保険の加入の必要が無いからといって、ハローワークへの届出を怠らないよう注意しましょう。

3. 均等待遇について注意が必要です

労働基準法第3条には、

「使用者は、労働者の国籍、信条、又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」

と「均等待遇の原則」が定められています。

外国人だからという理由だけで、日本人労働者と異なる労働条件で雇い入れることは許されることではありません。

4. 外国人労働者の雇用管理の改善は事業主の努力義務です!

外国人が能力を発揮できる適切な人事管理と就労環境の整備は、事業主の努力義務とされています。

厚生労働省が示す「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」の主な内容は以下の通りです。

◆募集・採用時において

国籍で差別しない公平な採用選考を行いましょう。 日本国籍でないこと、外国人であることのみを理由に、求人者が採用面接などへの応 募を拒否することは、公平な採用選考の観点から適切ではありません。

◆法令の適用について

労働基準法や健康保険法などの労働関係法令及び社会保険関係法令は、国籍を問わず外国人にも適用されます。また、労働条件面での国籍による差別も禁止されてい ます。

◆適正な人事管理について

労働契約の締結に際し、賃金、労働時間等主要な労働条件について書面等で明示することが必要です。その際、母国語等により外国人が理解できる方法で明示するよう 努めましょう。 賃金の支払い、労働時間管理、安全衛生の確保等については、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法等に従って適切に対応しましょう。 人事管理に当たっては、職場で求められる資質、能力等の社員像の明確化、評価・ 賃金決定、配置等の運用の透明性・公正性を確保し、環境の整備に努めましょう。

◆解雇等の予防及び再就職援助について

労働契約法に基づき解雇や雇止めが認められない場合があります。安易な解雇等を行わないようにするほか、やむを得ず解雇等を行う場合には、再就職希望者に対して 在留資格に応じた再就職が可能となるよう必要な援助を行うよう努めましょう。 なお、業務上の負傷や疾病の療養期間中の解雇や、妊娠や出産等を理由とした解雇は禁止されています。

参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000603552.pdf

事業主の皆様、日本人労働者にも外国人労働者にも、適切な労務管理をお願いします!

お読みいただきありがとうございました。

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