社会保険労務士法人アーリークロスの社労士ブログ

2021.10.26

社会保険加入の必要性 ~社会保険編~

今回は、前回の労働保険編の続きで、「社会保険加入の必要性~社会保険編~」をお話しします。

3. 健康保険

現在の日本の医療保険制度は、原則すべての人が公的医療保険に加入できる「国民皆保険」です。医療保険の中でも特に加入者が多い健康保険についてお話しします。

この健康保険は社会保険の中で恩恵を受けている人が最も多いと思います。例えば、風邪などの病気で病院を受診した場合、その費用の自己負担は3割(小学生未満及び70歳~74歳が原則2割、75歳以上が原則1割)となり、残りの費用を健康保険が負担してくれます。

また、医療費については一部負担とはいっても、何度も受診すると費用が高額になることもあります。その場合は、高額療養費といって、申請すると自己負担で払った金額の一部がさらに還付されます。また、このように医療費の一部を負担してくれるだけでなく、病気や出産などで一時的に働けなくなった場合にも所得保障として現金給付が受けられる仕組みもあります。

4. 国民年金・厚生年金保険

公的年金は、老後の生活の大きな支えとなるものです。平均寿命が年々延びている中、長期化する老後の生活を安定させるうえで、公的年金の重要度はさらに高まっています。公的年金は、日本に住む20歳〜60歳までの働ける世代の人たち全員が加入し、その保険料を元に高齢者に年金を給付する仕組みです。しかし、公的年金は老後のためだけの制度ではありません。障害の状態になった時に受け取れる障害年金や、のこされた遺族の生活を保障する遺族年金もあります

もし、仮に公的年金がない場合、自分自身や家族の加齢、病気や事故が原因による障害や死亡といった様々なリスクに対して、自分たちだけで必要なお金を用意しなければなりません。それらの費用をすべて個人で用意するには限界があります。そのため、社会全体で対応できるように公的年金が必要とされています。

5. 介護保険

介護保険は介護が必要な方に、そのサービス費用の一部を給付してくれる保険になります。

40歳になると介護保険への加入が義務付けられ、保険料を支払うことになります。具体的には、40歳から64歳までの被保険者は加入している健康保険と一緒に徴収されます。

制度の運営主体(保険者)は、国ではなく、全国の市区町村であり、保険料と税金で運営されています。保険は誰でも受けられるわけではなく、市区町村に手続きをしなければなりませんし、受けられるかどうかの審査もあります。サービスや給付を受けるには原則1割の自己負担が必要になります。ただし、前年度の所得によっては、自己負担率が2割あるいは3割に負担が増えることもあります。

以上、社会保険加入の必要性を労働保険編と社会保険編に分けてお伝えしました。社会保険は要件を満たせば強制加入になり、保険料の支払いなどで負担増になるだけではと思う事業主様もいらっしゃることでしょう。ただ同時に社会保険に加入することで、いざというときに保険給付を受け取ることができ、大切な従業員の方々の生活保障にも繋がります。

このように、従業員の方々が安心して働ける環境が提供されることで、業務に集中できて生産性も上がり、業績についてもよい影響を及ぼすことでしょう。社会保険について、ご興味を持たれた方は、どんなことでもお答えいたしますので、社労士法人アーリークロスまでお気軽にお問合せください。

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