社会保険労務士法人アーリークロスの社労士ブログ

2023.08.15

「就業規則の必要性」

こんにちは!福岡市にあります社会保険労務士法人アーリークロスです。
今回は、「就業規則の必要性」についてお話いたします。

1.そもそも就業規則とは?

 労働基準法及びその他関係法令(以下、法令)に則り、使用者と労働者の間で雇用・労働に関する規則を定めたもので、「事業所内のルールブック」と言えます。

①法令に満たない規定は有効?
 就業規則に定めていても法令の規定未満の部分については無効とされ、その部分については法令の規定が適用されます。

②就業規則がない、就業規則に規定していないことはどうなる?
 事業所に定めのないものについては、法令の規定が適用されます。

③法令の規定よりいい労働条件にしていた!法令の規程にまでなら下げてもいい?
 法令の規定は最低限の基準を定めたものなので、この基準に基づいて、一方的に労働条件を低下させることは違法となります!独自に法定以上の労働条件を設定していた場合に、法令の定めに統一しようと、その労働条件を法令の定め通りに下げることは禁止されているのです。

2.就業規則の作成・届出義務がある事業所は?

 常時10人以上の労働者を使用する事業所は、就業規則を作成し管轄の労働基準監督署へ届け出することが義務化されています。

 ポイント
 ①人数のカウント・届け出は事業場(営業所や支店など)単位で行います
  ※要件を満たす場合本社で一括して届け出できます
 ②人数をカウントする際、正社員・パート・アルバイトの区別は不要です
 ③出勤していない方も雇用関係があれば人数に含めます
  ※短期契約者など雇用関係が一定期間のみで常態化していない方は除きます

3.届出義務のない事業所でも作成しておくメリットはある?

 就業規則は使用者と労働者の間でのルールを定めたものなので、事業の運営上必要不可欠なものです!

 例えばこんなとき…事前に明文化していないと、どうなるでしょうか?
 ・退職者の対応
  退職申出の時期、引継ぎの期間、退職時に返還するもの
 ・休職者の対応
  休職期間の決め方、診断書の費用はどちらが持つか、復職の判断
 ・勤務態度が悪い従業員の対応
  社内や客先での遵守事項、禁止事項の明示、けん責や減給に該当すること

 法令に定められていることは最低限のルールであるため、実務上の対応は就業規則に定めておかないと、労働者へ指導する際の根拠がありません。
 また、労働者ごとに対応を変えることは公平性の観点から不当な扱いとなる可能性があります。判断基準となる就業規則をあらかじめ設定しておくことで公平な取り扱いがでるので、労使間で共通の基準を持つことができ、従業員間の不平等感も払拭することができます。同様に賃金規程や評価制度も非常に有効です。

お読みいただきありがとうございました。
社会保険労務士法人アーリークロスでは、就業規則の作成依頼も承っております。お気軽にご相談ください!

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