社会保険労務士法人アーリークロスの社労士ブログ
こんにちは!福岡市にあります社会保険労務士法人アーリークロスです。
今回は、「2022年10月から雇用保険料が引き上げに!」をテーマに取り上げます。
そもそも雇用保険とは?
雇用保険とは、労働者の生活や雇用の安定、失業した人への保障や教育訓練など、労働者の保護を行うことを目的とした広義の社会保険のひとつです。
原則として、従業員をひとりでも雇う事業主は、強制的に適用となります。
雇用保険料とは?
雇用保険料は、事業主と従業員のそれぞれが、定められた料率で、支払われる賃金に応じて負担しています。
雇用保険料率は毎年見直されてきましたが、近年では2017年の料率引き下げから据え置きとなっていました。
2022年10月からの雇用保険料率は?
事業主が負担する雇用保険料率は2022年4月から、6/1000(0.6%)から6.5/1000(0.65%)に引き上げられており、更に、2022年10月からは事業主・従業員双方の雇用保険料率が引き上げられることになりました。
出典:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/000921550.pdf
一般の事業(農林水産業や建設業等以外の業種)では、従業員負担の雇用保険料率は、3/1000(0.3%)から5/1000(0.5%)に引き上がります!
雇用保険料、なぜ上がるのか?いくらになるのか?
近年のコロナウイルス感染拡大の影響により、雇用保険の財源も逼迫しています。
雇用の継続のために従業員を休業させる事業主に支給される雇用調整助成金の特例給付や、離職者の増加による失業手当の給付増加などが、財源逼迫の要因のひとつと言われています。
その財政状況を鑑み、「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が2022年3月30日に国会で成立し、【2022年4月~】と【2022年10月~】の2段階で雇用保険料率が引き上げられることになりました。
では、実際にいくら変わってくるのでしょうか?
一般の事業(農林水産業や建設業等以外の業種)で考えると…
①従業員の負担
毎月の給与の総額が25万円の従業員の場合
月々750円控除されていたのが、月々1,250円控除されることとなり、500円程度(月額)の引き上げになります!
(250,000円×0.3%=750円 ⇒ 250,000円×0.5%=1,250円)
この例の場合、年間約6,000円の引き上げとなり、家計への負担も気になるところです。
※引き上げ額は、給与総額によって異なります。
②会社の負担
一般の事業の場合
9/1000(0.9%) ⇒ 2022年4月からは、9.5/1000(0.95%)
2022年10月からは、13.5/1000(1.35%) に引き上げとなります。
年収400万円の労働者を3名雇っている場合の雇用保険料(会社負担分)
令和3年まで…108,000円(4,000,000円×3人×0.9%=108,000円)
令和4年 …138,000円(4,000,000円×3人÷2×0.95%+4,000,000円×3人÷2×1.35%=138,000円)
令和5年 …162,000円(4,000,000円×3×1.35%=162,000円)
会社の負担分の引き上げ率は大きく、各企業への影響も懸念されます。
今回の雇用保険料率の引き上げは、新型コロナウィルス感染拡大が要因のひとつなので、致し方ないものだとしても、会社にも従業員にも少なからず影響を及ぼすものとなります。
また、毎月の給与計算や、毎年の労働保険料の年度更新申告をされる各会社の担当者の手間も増えることになってしまいます!
「いつの給与から雇用保険料率を変更するべき?」「給与計算が煩雑でアウトソースしたい!」という方は是非アーリークロスへご相談ください。
お読みいただきありがとうございました。
ご相談・ご依頼はお気軽に社会保険労務士法人アーリークロスまでお願いいたします!