社会保険労務士法人アーリークロスの社労士ブログ

2022.10.12

「いよいよスタート!男性版産休について」

こんにちは!福岡市にあります社会保険労務士法人アーリークロスです。

今回は、「男性版産休について」をテーマに取り上げます。

そもそも男性版産休って何?

2021年6月の育児介護休業法改正時に新設され、2022年10月から施行される出生時育児休業制度のことを指します。

この制度が利用可能な時期は、女性が産休を取得する時期に重なっていることから、男性版産休と呼ばれています。「産後パパ育休」という言葉を報道等でご覧になったことがあるかもしれませんが、こちらも男性版産休と同じ制度を指しています。

制度の概要・通常の育休との違いは?

①対象期間 → 子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能

        (通常の育休:原則子が1歳まで)

②申出期限 → 原則休業の2週間前まで

        (通常の育休:原則1か月前まで)

③分割取得 → 分割して2回取得可能

        (通常の育休:分割して2回取得可能※2022年10月1日から)

④休業中の就業→労使協定を締結している場合、労使が合意した範囲内で就業可能

        (通常の育休:原則就業不可)

対象労働者は?

・産後休業をしていない労働者(日々雇用を除く)

 主に男性が対象ですが、養子等の場合は女性も対象です。

 配偶者が専業主婦(夫)でも取得可能です。

・有期雇用労働者

 (申出時点で、子の出生日・出産予定日のいずれか遅い方から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに労働契約期間が満了、更新されないことが明らかな人は除かれます。)

※下記の労働者は労使協定の締結により対象外にできます。

 ①入社1年未満の労働者

 ②申出の日から8週間以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者

 ③1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

男性版産休の利点は?

まず、労使協定を締結している場合には、労使が合意した範囲内で就業可能な点が挙げられます。仕事の都合で育休を諦めていた男性でも、男性版産休であれば利用しやすくなるかもしれませんね。

また、2回に分けて取得できるので、「1回目はママと赤ちゃんの退院時に取得、2回目は里帰り先からママと赤ちゃんが自宅に戻るタイミングで取得」といったような家庭の都合に合わせた柔軟な休み方が可能になります。

もちろん、通常の1歳までの育休とは別制度なので、男性版産休を取った後に通常の育休を取得することも可能です。

会社が準備すべきことは?

事業所にあらかじめ制度を導入し、 就業規則の見直し等必要な措置を講じることが必要です。自社でどのような対応や取り組みができるかを検討し、実際の対応についても考えておくと安心ですね。

また、労働者による申出が円滑に行われるようにするための雇用環境の整備が2022年4月1日より義務化されています。この雇用環境の整備では、男性版産休と育児休業の申し出が円滑に行われるようにするため、会社が研修の実施や相談体制の整備等のいずれか1つ以上を実施することを義務づけています。

詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。

【参考サイト】

厚生労働省 育児・介護休業法について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

男性版産休だけでなく、育児介護休業法の改正対応でお困りの際は、是非弊社にお気軽にご相談ください!

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